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自分という物語の主人公になる:物語セラピーで自己肯定感を育む視点

Tags: 物語セラピー, 自己肯定感, セルフケア, 客観視

忙しい毎日の中で、自分を見失っていませんか?

日々時間に追われ、タスクをこなすことに精一杯。気づけば自分の気持ちや考えは後回しになり、自分がどうありたいのか、何を感じているのかさえ分からなくなってしまう。そんな経験はありませんでしょうか。

自己肯定感が低いと感じる時、私たちはつい自分自身を責めたり、「どうせ私なんて」と否定的な言葉をかけてしまいがちです。しかし、忙しい毎日の中で、立ち止まって自分自身と向き合う時間を作るのは難しいと感じるかもしれません。

この記事では、物語セラピーというアプローチを通して、忙しいあなたでも手軽にできる「自分を物語の主人公として見る」という視点の持ち方をご紹介します。この視点を取り入れることで、自己肯定感を育み、心にゆとりを持つためのヒントを見つけていきましょう。

物語セラピーとは?

物語セラピーとは、自分自身の経験や感情、出来事を「物語」として捉え直し、語ったり書いたりすることで、自分自身への理解を深め、心を整理していくアプローチです。専門的なカウンセリングだけでなく、日常生活の中でも意識することで、セルフケアや自己成長に役立てることができます。

私たちは皆、それぞれ固有の「自分という物語」を生きています。これまでの人生で起こった出来事、出会った人々、感じた気持ち、選択。これら全てが、あなただけの物語を紡いでいます。物語セラピーでは、この「自分という物語」に意識的に目を向けます。

なぜ「自分を主人公として見る」視点が自己肯定感に繋がるのか?

物語セラピーで「自分を物語の主人公として見る」という視点を取り入れることは、自己肯定感を育む上で非常に有効です。これにはいくつかの理由があります。

手軽にできる「主人公視点」の実践方法

忙しい毎日の中でも取り入れやすい、短い時間でできる実践方法をご紹介します。特別な道具や時間を用意する必要はありません。

  1. 今日の出来事を「短い物語」にしてみる(5分)

    • 今日あった出来事の中から一つ、印象に残ったことを選びます。
    • その出来事を、あたかも「自分という物語の主人公が今日経験したこと」として、短い文章で書き出すか、心の中で語ってみます。
    • 例:「主人公の〇〇は、今日プレゼンテーションに挑戦しました。緊張しましたが、聴衆の反応を見て少し自信が持てました。これは彼女が成長するための大切な一歩でした。」のように、自分自身を三人称(〇〇さん、彼女、彼など)で表現してみましょう。
    • 単なる事実だけでなく、その時主人公がどう感じたか、そこから何を学んだか、といった要素も少し加えてみるとより効果的です。
  2. 悩みを「主人公が立ち向かう試練」として捉える(3分)

    • 今、抱えている悩みや難しい状況を一つ思い浮かべます。
    • その悩みを、「主人公である自分が、今まさに立ち向かっている試練だ」と捉え直してみます。
    • 心の中で、「主人公の〇〇は今、この大きな壁にぶつかっている。さあ、彼女/彼はどう乗り越えるのだろう?」のように問いかけてみます。
    • 解決策を考える前に、まずはその状況を「物語の一部」として受け止める練習をします。これにより、問題との間に適度な距離が生まれ、感情的な負担が軽減されることがあります。
  3. 「主人公の強みリスト」を作る(隙間時間)

    • 通勤中や休憩時間など、短い隙間時間を利用して、自分の良いところや、これまでに乗り越えてきた困難を思い出してみます。
    • それらを、「主人公である〇〇が持つ強み」や「主人公が成し遂げたこと」として、心の中、あるいはスマホのメモ帳などに書き出してみます。
    • 小さなことでも構いません。「毎朝決まった時間に起きられる」「人の話を丁寧に聞くことができる」「困難なプロジェクトを最後までやり遂げた」など、主人公の行動や資質としてリストアップしてみましょう。

実践する上でのポイント

まとめ

忙しい日々の中で自分を見失いがちな時こそ、物語セラピーの「自分を主人公として見る」という視点が役立ちます。この視点は、私たちに客観性、成長への気づき、自己受容、そして主体性をもたらし、結果として自己肯定感を育むことにつながります。

ご紹介した手軽なワークは、特別な時間や場所を必要としません。まずは今日から、あなたの人生という物語の主人公として、自分自身を見つめてみませんか。小さな一歩が、あなた自身の価値に気づき、心にゆとりを持って毎日を送るための大きな力となるはずです。